赤本はいつから解く?何年分やればいい?合格に繋がる最強の使い方
受験の必須参考書として多くの人が使用している赤本ですが、実は、ただ解くだけでは意味がありません。
受験生必見の勉強お役立ち情報として、合格者がやっていた赤本の効果的な使い方をお教えします。
そもそも赤本は何のために解いてるの?
志望校の出題傾向を把握するため
赤本は、数学社が出版する「大学入試シリーズ」のことを指し、各大学の入試過去問が収録されている問題集です。
2018年の時点では、全都道府県375大学の赤本が販売されており、多くの大学・短大受験の受験の要となっています。
同じ学部・学科でも、大学によって入試で出題される問題の傾向が異なるため、受験する学校に合わせてしっかりと対策をしないと、合格には近づけません。
赤本には、各大学の入試の傾向と対策が掲載されているため、熟読することで「その大学が何を求めているか」「どのような問題を多く出題するか」が分かり、目標が明確に定まります。
そのため、赤本を使って各大学の特有のクセを把握し、対策することで、実際の受験で他の人より得点を稼ぐことができるのです。
問題の形式・試験に慣れるため
学校の定期テストでも試験は行いますが、各大学の入試問題にも「記述問題が多い」「長文がよく出題される」などの傾向があります。
たとえば、時間をかけて英文法や英単語の勉強を行っても、長文読解が多い大学では、得点力に結びづらいのです。
そのため、志望校の問題形式を掴み、重点的に勉強を行う事で、より効率良く対策を講じることができます。
また、入試当日は顔も知らない多数のライバルたちの中で、今まで培ってきた自分の実力を存分に発揮しなければなりません。
この環境は、想像以上にプレッシャーがかかり、思っているように本来の力が出せない人もいます。
そうならない様、試験問題や時間配分に慣れておくという事が、自分が本番までにできる大切な対策です。
合格最低点と実力の差異を知るため
赤本の「入試データ」では、合格者の平均点や最低点が掲載されており、あとどれだけ得点すれば合格ラインになるのか、自分の実力が把握できます。
また、どこを重点的に勉強し、必要な点数を確保すれば合格に結び付くのかも、分かるようになります。
ただし、赤本の合格最低点はあくまでも調整された数値であり、実際の最低点に比べて5%点数が低くなっていると言われているため、注意が必要です。
また、余裕を持って合格ラインに入るためにも、最低点で満足するのではなく、より高い点数を獲得できるよう、平均点以上を目指して勉強しましょう。
自分の弱みを発見するため
第1志望の学校に合格するためには、得意な部分を伸ばすだけでなく、自分の苦手を克服し、得点できる問題を増やすことが非常に重要です。
基礎学力をしっかりと備えた上で、自分にとって足りない物を見つけ出し、弱点対策を行えば合格に近づくことができます。
この際、赤本のような過去問を使用すれば、各大学への対策と弱点の炙り出しが両方叶うため、効率良く得点源を作ることが出来るのです。
受験生にもなると、自分の苦手な問題は「勉強したが理解が及んでいない」という部分が多いため、容易に克服できるものばかりではありません。
また、勉強しなければならない範囲が膨大になるため、1つの問題だけに多くの時間を割く事もできないのです。
いかに効率良く、自分の苦手を発見・克服するかが勝負のカギを握っていますから、赤本を有効活用して、テンポよく対策をしていきましょう。
赤本はいつから解き始めるのが良い?
高校2年の夏から傾向を分析
「赤本は高校3年生から使うもの」と思っている人も多いのですが、最初に手に取ってみて欲しいのは高校2年生の夏休みごろです。
この時点では、問題を解かなくても構いませんので、志望校がどの様な問題を出題するのか傾向を分析し、ノートにまとめてみましょう。
実際の入試問題には、まだ習っていない部分も載っていると思いますが、何が多く出題されるのか分かっていれば、その後の授業に集中して取り組むことができ、3年生になってからの時間のロスが減ります。
また、既に習っている問題で「苦手だな」「あまり得点できていないな」と感じる部分があれば、夏休みの間に集中的に勉強して苦手を克服し、周囲よりも一歩リードすることが可能です。
高校3年になったら滑り止め校からやってみる
赤本は、受験する全ての学校の問題を網羅することを前提に、高校3年に入ったら一番偏差値の低い受験校や滑り止めの学校の問題から、取り組み始めましょう。
この際、解けない問題が多かったり、思った以上に苦戦したとしても、落ち込む必要はありません。
この時点で重要なのは「何ができて、何ができないか」を理解し、不足を補う作業を習慣づける事だからです。
得点が低かったからと言っていじけてしまう人よりも、自分の実力と向き合って分析・対策できる人の方が、合格に近づくスピードが早くなります。
まだ時間が取れる高3の春だからこそ、何が必要なのかを見極めて、コツコツ勉強する事を心がけましょう。
夏休みが終わるまでに、第1志望以外は終わらせる
普段の予習・復習や宿題、塾・予備校の勉強などと併せて、赤本もコツコツと進めていき、夏休み終了までに併願校は一通り終わらせておくのが目標です。
もちろん、併願校の数が少なければ、第1志望校の赤本を進めても構いませんが、ベースとなる併願校の問題が平均点以上に確保できていないのであれば、もう一度やり直すことをオススメします。
また、ゆっくりと勉強時間を確保できる夏休みの間には、入試形式で時間制限を設け、赤本に取り組むようにしましょう。
試験では解ける・解けないも重要ですが、ペースを乱さずに余裕を持って解答する時間配分も重要になります。
学校や部活動、習い事などがあると、なかなかまとまった時間が取れない人もいますので、長期休暇を大いに活用してください。
秋から第1志望の赤本にもチャレンジ!
高校3年生の9~10月に入ったら、いよいよ第1志望の学校の赤本に手をつけていきましょう。
これまでに併願校の赤本をしっかり解いてきていますので、最初から本番形式で時間制限を行います。
この際、受験する全科目を1日で行う必要はありませんので、まとまった時間が取れない場合は、1科目ずつ取り組んでも構いません。
どちらの方法で行うにしろ、重要なのは振り返りと解き直しですので、曖昧な問題や間違えた箇所は徹底して洗い出し、早めに克服しましょう。
第1志望の過去問が数年分一通り終わったら、併願校の過去問に戻り、何度でも繰り返し行ってください。
赤本は何年分の問題を解いておくと安心?
【国公立・難関私大】第1志望10年分+併願校5年分
受験科目の多い国公立や難問・応用が多数出題される難関私大では、第1志望校の過去問は10年分、併願校の過去問は5年分行うのが目安です。
とても膨大な量になりますので、他の問題集に目移りせず、しっかりと赤本を解いていくことが重要になります。
センター入試を受ける人は、過去問以外にセンター対策も行う必要がありますが、単独型や科目が多い場合は10月ごろから、併用型やセンタープラスであれば11月ごろからセンター用赤本も行っていきましょう。
センター対策は、一般入試と同様に過去問を基本として勉強し、試験日直前に予想問題を行うと良いでしょう。
【一般私大】第1志望5年分+併願校3年分
応用力やひねった問題よりも、どれだけ基礎がしっかり備わっているかが重要になる一般私大では、第1志望の過去問を5年分、併願校の過去問を3年分しっかりと取り組みましょう。
国公立や難関私大に比べ、行う量が少なくなりますが、その分1問1問を丁寧に解き、確実に点数を取るようにしなければなりません。
また、年明けごろまでに全赤本を2~3周行い、8割以上得点できているのであれば、1年でも多く古い過去問を解いていきましょう。
補足が多ければ多いほど、自分の弱点が少なくなり、より合格の確実性が増していきますから、必要量を終えたからといって油断せず、最後まで少しでも多くの問題を解いてください。
赤本で成績を上げる!合格者オススメの使い方
赤本ノートは必ず作る
赤本を取り組む際は、「解答用ノート」と「復習用ノート」の2種類を用意しておこないましょう。
解答用ノートは、赤本の問題を解いて解答を書き込む、いわば採点用紙としての役割を果たします。
赤本の2週目以降は、丸つけ後に前回実施した時の解答を確認し、同じ箇所を間違えていないかチェックしてください。
また、特に重要になる復習ノートは、間違えた問題・正しい答え・間違えた理由などを書き込みます。
復習ノートの作り方はいくつか方法がありますが、「問題に対して、自分で解説を作る」という手法がオススメです。
自分で問題の解説を作る事で頭の中が整理され、より理解を深めながら苦手を克服することができるからです。
また、自分なりの解説を作れば、同じ問題や似た問題で間違えた時に、すぐに振り返って分かりやすい情報で補足する事が出来ます。
特に赤本は、解説がシンプルで丁寧さに欠ける部分があるため、自分が納得できるオリジナル解説を作っておけば、何度も他の参考書を見返すことなくスムーズです。
スキマ時間も活用したいなら「風呂で覚えるシリーズ」を
数学社が出版する赤本シリーズにはいくつか種類がありますが、高校3年になって「少しでも時間を有効活用したい」という人は、風呂で覚えるシリーズを使ってみましょう。
このシリーズはその名の通り、水に濡れても大丈夫な耐水性紙を使用しているため、お風呂の中でも勉強ができる優れものです。
英単語、古文単語、世界史、日本史、化学など10種類の参考書が販売されていますので、受験科目や苦手分野に併せて購入しましょう。
入浴しながら勉強をしたいという時は、38~40℃のぬるめのお湯で半身浴(おへそ辺りまでの湯量)を1時間ほど行いましょう。
1時間も勉強時間が確保できるだけでなく、体が芯から温まるため睡眠の質が高くなり、日中の集中力も格段に上がります。
しかも、風呂で覚えるシリーズのように暗記科目を寝る前に行う事で、記憶が定着しやすくなり、効率よく勉強できます。
これは漫画「ドラゴン桜」でも紹介されている勉強法ですから、ぜひ就寝前の1時間の半身浴は暗記の勉強に充ててみましょう。
使用後に売れる赤本は全受験校分買って勉強を
ここからは入試が終わった後の話になりますが、使い終えた赤本は買取店で売ることが出来ます。
受験校が多い人は、何冊も赤本を買うのを躊躇しがちですが、最終的に現金化できますので赤本はケチらずに購入し、しっかりと勉強しましょう。
志望校に合格し、浪人しないのであれば受験が終わった時点で赤本は不要になりますので、早めに売るとより高く買取ってもらう事が可能です。
ただし、赤本は書き込みが多いと値段が下がりやすくなってしまうため、きちんと赤本ノートを作って勉強し、できるだけ綺麗な状態を保ちましょう。
また、「赤本が高く売れるおすすめ買取店はココ!」でも紹介していますが、一般書籍の買取に強いお店だからといって、赤本が高く売れるわけではありません。
使い終えた赤本を売る時は、しっかり高く査定してくれるお店を選ぶようにし、より良い条件で買取ってもらいましょう。